僕は書籍の中でワンルームマンションは500万円でも1500万円でも相場通りに買って借金をすれば、残るキャッシュフローはあまり変わらないと書きました。
■物件A(価格500万円、築25年)
借入金額500万円、フルローン、金利2、5%、借入期間30年
家賃50,000円
返済19,756円
管理手数料2,500円
管理費・修繕積立金12,000円(古い建物ほど管理費・修繕積立金が高くなる傾向にある)
キャッシュフロー13,744円
■物件B(価格1500万円、築5年)
借入金額1500万円、フルローン、金利2、5%、借入期間30年
家賃90,000円(家賃は下がっていく傾向にある)
返済59,268円
管理手数料4,500円
管理費・修繕積立金9,000円
キャッシュフロー13,732円(借入金は3倍なのにキャッシュフローはほぼ同じ)
スタート時期にワンルームマンションという区分投資法にローンをつけて購入することで、僕は<はじめての不動産投資>をスタートしました。不動産投資の拡大時期でいえば若干失敗だったかもしれません。
金額的に低いワンルームマンションだったので大きな痛手にはならずでしたが、ローンを付けたことで毎月のキャッシュフローはナント月1万円ちょっと。とんでもなくバカみたいにファンド的シュミレーションを重ね、指標がポジティブに働いたので大丈夫だ!コレで僕も大家さんになれる!と一人盛り上がっていましたが、結果それでも1万円ちょっとのお金の流れができただけでした。。
当時、手取り給料が10万円後半だった身分としては1万円ちょっとでも毎月お金が入ってくるのは大きいことでした。でもこれでは全く人生が変わらないと感じて、数十社の不動産会社から無理だと言われた1棟物にチャレンジしたことで、登り坂を段々に上がることができ現在のセミリタイアスタイルに至りました。
ワンルームマンションやファミリーマンションは<戦略、タイミング、価格、物件>次第で不動産投資としても十分成り立ち、そして奥が深い品物です。どうしてもキャッシュフロースピードは一棟物に比べて遅いですが、一棟物よりも立地が良いことが多々あり、換金性が高く、一概に否定してはならないポジションにある物件種別だと僕は考えています。
絶対的に言えば<割安ですぐに儲かる>のであればワンルームマンション、ファミリーマンション、戸建でも買って良いということです。もちろんタイミングも重要です。拡大時期に現金を大きく減らすのは一棟物での融資拡大に時として妨げることになりますので注意が必要です。
ただ、自分のタイミングで現金を使っても良い、ワンルームマンションに融資を使っても良いというタイミングであれば、買っても良いでしょうし、<割安ですぐに儲かる>のであれば間違いなく買いです。
今回、神奈川県横浜市鶴見区のワンルームマンションは、タイミングよく相場より割安な案件としてお付き合いある不動産会社の社長から紹介いただき、現金で購入することができました。
そして相場を調べると同じ区分が1、7倍から2倍で売りに出されていました。これは買った瞬間に儲かる良い例です。ワンルームマンションでも買ってすぐ売れるなら投資としては大いにありです。
また鶴見駅から徒歩圏内なので募集してから3日程度で申込が入り、その後すぐにキャンセルになっても1週間かからず次の申込が入り、現在はその方で決まり継続して入居いただいています。
現金で購入することで無借金物件となり、僕が好んで使う三井住友トラスト・ローン&ファイナンスの共同担保用として、このワンルームマンションを共同担保カードにすることに戦略的にしました。
また現金で購入したのでローンがありません、ローンがないので毎月5万円程度が残ってくる計算です。この物件はそこそこ広さがあるので次の退去ではバストイレ別に分離して、家賃を5000円以上あげる予定です。
それにしてもワンルームマンションなど区分は購入してから運営上の手間がほとんどありません。仮説ですが、何もなければキャッシュマシンとして、毎月キャッシュフロー5万円、毎年60万円、5年で300万円、10年で600万円とお金が貯まっていきます。もちろん経費などで変わります。立地がよければあとは家賃設定やリフォーム次第ですぐに入居してもらうことができますので地味ですが物件種別としてはある意味ワンルームマンション系は鉄板です。
不動産投資で生計を立てようと考える者には、生活圏(ベース)と安全圏(余裕)があると僕は考えていて、不動産投資で生活圏は絶対的に超えなければならない壁です。例えば、不動産投資の計算で毎月70万円キャッシュフローが自分の生活圏(ベース)であれば、それ以降は安全圏(余裕)になります。
ある程度の安全圏に入ったのであれば、そこにある一定の余裕があるはずです。そこで最近の日本政策金融公庫など特有の10年ローン(若年層や女性など一定層は除く)や短い融資期間をあえて選択することで、小さく・・・そして・・・若いうちに早く・・・完済へ向けていくのもおもしろいことです。
大型物件で返済比率7割とか10割とかやるのは、ステージを一歩間違えると恐怖でしかないですが、小型のワンルームマンションやそれこそファミリーマンション、戸建などはこの戦略に該当させても良いと思います。
500万円で買っても、1000万円で買っても、10年融資で組めば10年でローンは当たり前のように終わるのです。
そして僕が38歳で500〜1000万円の価格帯のワンルームマンション(またはファミリーマンション、戸建)10戸ホールドして、今後の融資に影響ない形で10年の融資期間で融資付けて購入したと仮定してみると48歳には無借金の物件として手に入ります。
生活圏も安全圏的にも十分な基盤となるキャッシュフローや現金があるのであれば、それと反面でキャッシュフローをほとんど生まない区分や戸建を用意して10年という短期間で完済へ持っていくのも一つの戦略です。
完済後1戸当たりのキャッシュフローが5万円なら10件で毎月50万円が入ってきます。また売るときも必要枠だけ切り売りできるのです。
不動産投資をはじめた当初を思い出して欲しいです。キャッシュフローがなくても、元はなかった資産が、このプランだと10年間で入居者が家賃を払ってくれてローンを返してくれているのです。10年持ちこたえられるかがポイントです。
そして最後は手元には資産が残るのです。長期融資を組んだキャッシュフロー型アパートより断然早く完済へ向かうことができ客付が比較的楽な安定した資産となります。
これはあくまで安定したキャッシュフローや現金があることをベースとした組み立てだと考えています。キャッシュフローや現金がない者がカツカツの返済比率で短期勝負で行くのはあまりにリスクが高いです。さらに借入償還年数を気にする方もいますが、キャッシュフローも現金もないのに返済比率きつめで借入償還年数に偏るのはリスクが高いです。
今のキャッシュフローもとても大事ですが、キャッシュフローや現金に余裕ができたらハッキリと時間を味方にガンガン元金を減らすような不動産投資もパズルとしては、ありだと僕は考えています。